前回からだいぶ間が空いてしまいました。今回は私が関わった本の宣伝です。

「京大蝶研の標本箱」表紙
(実際の金文字はもっとギラギラなのです)私、レピ屋見習いが標本撮影を担当した本、
「京大蝶研の標本箱 京都府の蝶113種・国内の異常型81個体・迷蝶49個体」が完成しました。京大蝶研会員の国内コレクションの標本写真集です。定価8000円と大変高価な本になってしまいましたが値段分の価値はあると思います。
ということで「京大蝶研の標本箱」をご紹介させていただきます。まずは撮影担当として力を入れた部分です。
・縁毛や後翅内縁の毛がはっきり見える
ページサンプル p058私の中ではこれが最大の売りだと思っています。従来の図鑑は基本的に白背景で縁毛が見えにくいのが不満でした。そこで、この本では背景をグレーに設定し、縁毛をはっきり写すために新しく考案した手法で撮影・画像処理をしました。
大変な人手と労力が必要でしたし、かなりのHDD容量を消費しました(完成品psdファイルの合計サイズは100GBを越えました)。しかしその代わり縁毛マニアの方にも満足していただける出来になったと思います。
(撮影に関しては別記事にも書くつもりです)
どんな写りなのか、リサイズ前の原寸の写真をいくつかお見せします(印刷用のデータはこれを8cm×6cm 300ppiにリサイズして作ります)。
ギフチョウ
通常個体とイエローバンドの違いもはっきり分かります

4672x3104pixels 1MB

4672x3104pixels 1.3MB
ヒオドシチョウ
後翅内縁の毛に注目です

4672x3104pixels 1.7MB

4672x3104pixels 1.8MB
いかがでしょうか? 手前味噌ですが、こんな標本写真は他ではそうそう見られないと思います。
・全個体の表裏両面を掲載保管者本人でも標本を裏返して見るのはおっくうなもの。破損の危険もあります。でも、この本ではコラム以外の全個体の表裏両面を見られます。気になる標本の裏を見られなくて悶々とする…なんてことはありません。
・色が綺麗蝶や蛾を採集し、太陽にかざして見たときの美しさに感動された方も多いと思います。この本では太陽の下で見た色を目指しました。
次に資料としての価値について。
・京都府の蝶ほぼ全種を掲載
ページサンプル p074京都府で見られなくなってしまったシルビアシジミ、オオウラギンヒョウモン、ヒメヒカゲ、京都府初記録と思われるミカドアゲハなども含め、京都府で記録がある118種のうち113種を掲載しています。
掲載しているのは全て京都府内で採集された個体です。なんと1949年や1952年に採集された標本まであります。掲載できなかったのはスジボソヤマキチョウ、ベニモンカラスシジミ、キベリタテハ、クジャクチョウ、ヘリグロチャバネセセリの5種のみです。
他に、京都府の蝶に関する概説や京大蝶研発足以降の京都府の市区町村廃置分合年表、京大蝶研発足時および2011年現在の市区町村図も掲載しています。さらに付録として過去の京大蝶研会誌SPINDAに掲載された全ての京都府産蝶類記録を収録したCD-ROMが付いています。
・異常型81個体、迷蝶49個体を掲載
ページサンプル p157これだけまとまった数の異常型を集めた本は珍しいと思います。裏面初公開の標本もあります。
異常型・迷蝶は全個体解説付きで、過去に類似例の報告があるものは参考文献を挙げています。一部の個体は鱗粉の拡大写真を掲載していますので正常個体と鱗粉レベルで異なることが一目で分かります。
…と、盛りだくさんな内容になっております。ご覧になって「買ってもいいよ」と思われた方は
京大蝶研の公式サイトからご注文頂けると幸いです。よろしくお願いします。m(_ _)m
また、下記の書店様でも取り扱っていただいております。
滝道昆虫様(
取扱商品一覧のページ)
南陽堂書店様(
個別ページ)
双尾2様(
書籍案内ページ)
六本脚様(
個別ページ)

2011年の11月祭で使用したポスター
最後に…
本の中では具体的に触れられていませんが、この本が完成に漕ぎ着けられたのはNa君とShi君の二人に負うところが大きいです。異常型解説ページの大部分を作成したのも、最後まで校正に奮闘していたのも彼らでした。この二人には本当に感謝しています。中でもNa君の頑張りには目を見張るものがありました。画像処理を最も多くこなしたのは彼でしたし、撮影のサポートや編集作業も驚くほど熱心でした。
posted by レピ屋見習い at 01:36
|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
日記